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ゴルフ場破綻処理

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Answer.

ゴルフ場破綻処理と様々な方法があります。

1.民事再生法について

民事再生手続きは比較的ゴルフ場側に有利な制度となります

1-1.民事再生

今までの和議法にかわり、経済生活の再生を図る再建型の倒産手続として、民事再生法が制定・施行されました。

民事再生手続にでは、会社更正手続と異なり、原則として、従来の経営者がそのまま経営を続けることができます。また、債権者の一般債権の回収行為や担保権者の担保権の実行が自由に認められると債務者の再生が困難になるとの配慮から、一般債権者の強制執行等の権利行使を中止・禁止する制度、担保権の実行としての競売手続を中止する制度や、担保権自体の消滅を請求できる制度等が用意されました。さらに、民事再生法では再生計画案の可決要件が、議決権を有する出席債権者の過半数、かつ、再生債権者の議決権総額の2分の1以上(和議法は届出和議債権者の総債権の4分の3以上)でよいことになり、再生計画案の可決が容易にされました。

ゴルフ場経営会社が民事再生の申立を行う場合、会員に対しては、相場価格程度まで預託金をカットする再生計画案を示すことになるでしょう。問題は、銀行からの借入債務や造成工事施工業者に対する工事代金債務等、ゴルフ場施設への抵当権の設定を受けている債権者の処理となり、これらについては、担保権消滅制度が利用できるとの期待もあるようですが、このような大口債権者と衝突してしまうと、2分の1以上の賛成という再生計画案の可決が厳しいことになります。結局、従来と同様、破産した場合との対比を梃子に理解を得るよう交渉を進めるよりないと考えられています。

ゴルフ場経営会社は、バブル期に、高額な価格設定で預託金を集めました。しかし、その後会員権相場は落ち込み、預託金の据置期間が満了すれば、次々に預託金の返還請求を受ける状態にあります。 集めた預託金はゴルフ場施設になってしまっており、ゴルフ場自体の価値もゴルフ場の造成時と比べて、何分の一にもなってしまっているので、ゴルフ場を売ってしまったとしても、会員全員に預託金全額を返還することはできません。 それどころか、次々に預託金返還請求権が相次ぎ、強制執行により売上金を差し押さえられてしまえば、資金繰りに行き詰まり、破産することになってしまいます。 そうなれば会員もプレー権を失うことになり、預託金もほとんど戻ってこないという最悪の状況になってしまいます。 そこで、預託金額の何割かをカットすることにより、ゴルフ場経営会社の破産を防ぎ、再建させる手続きが民事再生手続きなのです。

1-2.民事再生手続き

(1)弁済期にある債務を返済すれば経済的に窮地に陥る状況があれば、支払不能にならなくても申立ができること、(2)これまでは4分の3以上の賛成が必要だったが、債権額の2分の1以上の賛成があれば、債権額の8割カットという厳しい内容でも反対債権者も拘束されること、(3)現在の経営者がそのまま経営を続けられることなど、ゴルフ場側に有利な制度があります。それで、ゴルフ場は、民事再生手続きの申立を次々とするのではないかと言われているのです。

しかし、他方では、(1)再生計画が可決されると、3年間は裁判所が監督することができること、(2)役員に対する責任追及の制度があること、(3)再生計画が可決されない場合は会社は破産することになることなど、会員側にメリットあるいはゴルフ場にとって不利な制度もあります。

民事再生手続きで、会員の預託金はどうなるかと言いますと、一般的には、会員権相場に近い金額まで預託金をカットされることとなるでしょう。株主会員制への転換を図るゴルフ場もあるかもしれません。

会員権の分割や預託金の据置期間の延長も、本来、民事再生手続きで可決すべき問題ですが、これらを民事再生手続きで、可決しようとするゴルフ場は少ないと考えます。

ゴルフ場経営会社が民事再生手続きの申立をした場合、会員としては、(1)会員が団結すること、(2)決算書類等を分析した上で、再生計画案を検討し、より会員にとって有利な案を検討すること、(3)役員の責任について検討すること、(4)経営者に不信がある場合には、株式を会員に持たせ、経営者に辞任を求めること、(5)場合によっては、会社更生手続きの申立を会員が行うことが必要です。

ゴルフ場経営会社が再生手続きの申立をした場合、会員は、再生手続きが本当にやむを得ないのか十分考えて行動する必要があります。 会員としては、再生手続申立前に、預託金の返還を求めるというのもひとつの方法です。

2.会社更生法

経営の行き詰まりで窮境にあるものの、再建の見込みがある株式会社を対象に、事業を継続しながら更生を図ることを目的とした法律です。会社は経営で行き詰まったと判断すると、裁判所に更生手続き開始の申し立てを行い、裁判所が受理すると財産保全命令が出されます。裁判所はその決定または棄却をしますが、決定の場合は1人または数人の管財人を選びます。管財人は更生計画を策定して、裁判所の認可を受けたうえで再建に乗り出します。

2-1.会社更生法と民事再生法

会社更生法は再建の見込みがある企業が裁判所に更生手続き開始の申し立てを申請して、裁判所がそれを受理すると財産の保全命令が出され、企業の再生がスタートします。この場合、裁判所が決定した管財人が再建計画を立てて、それに準じた再生が始まります。会社更生法は債務が一部放棄された場合(借金の棒引き)最長20年の返済期間をかけてコツコツと返していくことになります。その他の会社更生法の特徴としては経営者、いわゆる役員は総退陣することが原則とされていて、新しいリーダーの下で企業の再生が行われます。また、担保の回収が禁止されているということで、銀行が担保に設定しているものがあったとしてもそれを競売にかけて回収することができないので、企業の資産の流出を防ぐことができます。

一方、民事再生法は2000年の4月に施行されたばかりの新しい倒産法で、その迅速性から主に中小企業のために作られた法律です。中小企業は会社と社長が一体的になっていることがほとんどなので、社長がいなくなってしまうと経営がたちゆかなくなってしまいます。そこで、中小企業の使用を想定していた民事再生法は社長、すなわち役員の辞任は必ずしも必要ではありません。ただし、経営責任を問う意味でも、取締役の辞任や個人資産の提供などといったことが行われます。また担保の扱いについては回収について原則として自由となっています。

会社更生法と民事再生法とが大きく異なる点はそのスピードにあります。会社更生法は申し立てから再建手続きまでに2ヶ月から6ヶ月という時間がかかっていましたが、民事再生法はその期間が2週間から1ヶ月に短縮されました。企業は生き物のようなもので、もたもたと再生手続きをしていると、どんどん資産価値が劣化してしまい、気がついたときには優良事業を高値で売却できたはずが予想外の価格でしか売れないということになってしまいます。また、有能な人材や顧客の流出も考えられるため、再建は一刻も早いステップが必要になります。

最近では経営陣が退陣しないことや迅速処理が可能ということから、本来は中小企業向けの民事再生法を大企業が使うケースも目立ちます。ただし、経営陣が交代しないということは債権者からの同意を得ることが難しい場合が多く、金融機関などの大口債権者が同意する場合を除いては必ずしもうまくいくとは限りません。

3.自己破産

ゴルフ場経営会社(債務者自身)の申立てにより破産手続開始の決定を受ける場合のことを指します

破産制度を債務者自身が利用するもので、債務者からの申し立てを受けて裁判所が審査し、破産宣告を行います。全財産を処分しても借金を返せる見込みがないと判断し、認められれば官報で住所、氏名が公告され、残る負債の支払いが免除(免責)される。浪費やとばくが主な原因だと、免責されない。数年は金融機関から融資を受けられない。免責後10年間は、再び免責を受けることができません。

3-1.自己破産の要件

自己破産を申し立てるには、自己破産をするための要件を満たしていなければなりません。自己破産をするための要件とは、借金をどうしても返せない状態(支払い不能の状態)であると裁判所が判断した場合になります。支払不能の状態とは、申立人の借金の額や収入を考慮して、裁判所がもう返済していくことが無理だと判断した状態ということになります。

4.破産

4.Answer.

債務を一般的・継続的に弁済することができない状態にあり、裁判所が選任する破産管財人によって債務者の財産を包括的に管理・換価して、総債権者に公平に配分することを目的として行われる法的手続です。

4-1.破産すると

債権者か、債務者からの申し立てを受けて裁判所が審査し、破産宣告を行います。全財産を処分しても借金を返せる見込みがないと判断し、認められれば官報で住所、氏名が公告され、残る負債の支払いが免除(免責)される。浪費やとばくが主な原因だと、免責されない。数年は金融機関から融資を受けられません。免責後10年間は、再び免責を受けることができません。

4-2.破産制度

破産制度とは、ある特定の時点を基準時点に定め(破産宣告の日時)、その時点での資産状況を整理して、財産額の総額を算出し、負債の総額も算出して、財産をすべて換金して、債務の弁済に当てるというもので、債権者に対しその債権額に応じて、完全に平等に、財産を配当する制度です。破産申し立てをしますと、裁判所は、まず破産状態にあるかどうかを審査します。次に、債務者が不動産があったり、会社であったりしますと、破産管財人の選任が必要になります。

破産が明らかになった時点で、破産決定を行い、この時点で債務者の財産を保全し、破産管財人に管理してもらい、後日の配当にいたるものです。破産決定というのは、債務が超過して支払いができない事実を宣言することで、事実としての認定ですから、客観的な事実さえ明らかになれば決定が出ます。しかし、破産決定自体は、債権が確定され、破産債権として10年間有効な債権となるだけですから、返済の必要もあり、取り立て禁止の効力もなく、それだけでは、主に、債権者保護の効果が目的です。優良な債権者(友人とか、銀行、優良な貸し金業者など)にとっては、これで十分なはずです。債権者からの破産申し立ての利用は主にこの観点から行うものです。

5.解散

会社が解散すると、合併・破産の場合を除き清算が開始されます

5-1.解散とは

会社は、株主総会の決議で解散を決定することができます。しかし、それだけで会社の法人格が消滅するわけではありません。商法では、会社が解散したときには、営業活動を停止した上で、清算手続を行い、清算手続がすべて終了した上でなければ会社の法人格は消滅しないと定めています。

6.特別精算

6.Answer.

債権者の保護のために株主等の申立てにより裁判所の命令によって開始され、裁判所の関与に基づき行われる清算手続です

6-1.倒産処理の手続(特別清算とは)

特別清算とは、債務超過の状態にある解散した株式会社が、公正な清算をするために、申立権者の申立にて、裁判所の命令により開始され、且つその裁判所の監督のもとで行われる法的清算手続きです。

解散とは、定款に規定する事由の発生や、合併、破産等の場合のほか、株主総会の決議によっても行われることになるので、この結果清算手続を経た後に、会社の法人格は消滅します。

清算とは、会社が合併・破産以外の事由で解散した場合に、会社の全部の法律関係を整理決済し、その財産を株主に分配する手続で、通常清算と特別清算とがあります。